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36協定を締結せずに月190時間の違法残業を行わせていた事例

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はじめに

 今回は、労働基準法違反の送検事例をもとに、ブラック企業を検証しその対策を考えていきたいと思います。

事件の概要

書類送検された企業:

㈱ニューズ(山梨県富士吉田市)(TSUTAYAフランチャイジー)

≪平成28年10月6日送検≫

  1. 平成26年6月21日~27年6月20日の一年間、36協定を締結せずに従業員に違法残業をさせていた。
  2. 固定残業代制を悪用し、超過分についての割増賃金を一切支払っていなかった。
  3. 深夜割増賃金を適切に支払っていなかった。

違反法条:労働基準法32条・同法37条

参照元:  https://www.rodo.co.jp/column/7747/

1の検証 

 36協定を締結せずに使用者が1分でも残業させたら労働基準法32条違反です。したがって、すでに就業している方も新しく就業し始める方も、まず事業所に36協定が存在するかどうかを確認する必要があります。36協定の確認方法については下記を参照ください。 

www.mesoscopical.com 

 事業所に36協定が存在しなければ、一切残業する必要はありません。36協定が存在した場合は、延長時間(又は特別延長時間)が何時間か確認してください。36協定の見方についてはぜひ下記を参照ください。 

www.mesoscopical.com 

 残業時間が延長時間(又は特別延長時間)を少しでも超えた場合は、それ以上は残業せずにすぐに帰宅しましょう。 

2の検証

 まず、何時間分の固定残業代かを会社に確認しましょう。そして、固定残業時間を超過した場合、給与明細で超過分の残業代が支払われているか確認しましょう。支払われていない場合は賃金不払い残業に該当し、労働基準法37条違反ですので、会社近くの労働基準監督署に申告してください。資料として、全国の労働基準監督署の所在地を示します。

全国労働基準監督署の所在案内 |厚生労働省

3の検証

 労働基準法は、午後10時から午前5時までを深夜業と規定しています。この時間帯に労働した場合は、25%以上の割増賃金が発生する規定になっています。従って、深夜に労働をしたにもかかわらず、他の時間帯と同じ賃金(時間給)しか支払われていなかったら、労働基準法37条違反ですので、会社近くの労度基準監督署に申告してください。

まとめ

 記事によると、当該事業所の1人当たりの最長月間残業時間は190時間であったとのことです。また、労働者9人に対し、計590万円の割増賃金が不払いだったといいます。検証1~3を踏まえれば、これらの被害は未然に防ぐことができます。ぜひブラック企業からの被害を防止しましょう。