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テレビ朝日が障害者採用ページへのnoindexタグ入れを正式に認める

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はじめに

 昨日、テレビ朝日公式サイトの障害者採用ページに、noindexメタタグが埋め込まれていた件について論じました。 

www.mesoscopical.com

 本件に関して、産経新聞が次のような報道をしました。

www.sankei.com

 産経新聞の報道によると、

テレビ朝日広報部は指摘を認めた上で、「『テレビ朝日 障がい者 採用』で検索すると、当社の『採用情報』のポータルページがヒットする」とし、「検索を回避しようとしているわけではない」と反論した。

とのことです。

 重要なのは、テレビ朝日が、障害者採用ページにnoindexタグを仕込んでいたことを正式に認めた点です。しかし、「ポータルページがヒットする」だけでは、同タグを埋め込んだことの合理的な理由になりません。

タグを挿入した理由になっていない

 前回の記事でお話しした通り、「テレビ朝日 新卒採用」で検索すると、同社の新卒採用ページが直接表示されます。ところが、「テレビ朝日 障害者採用」で検索すると、同社の障害者採用ページが直接表示されず、採用情報のポータルページのみが表示されます。「noindexタグ」が埋め込まれているので、同社の障害者採用ページが直接検索結果に表示されることはありえず、同ページに到達するには、内部リンクを辿る必要があります。

 つまり、「テレビ朝日 障害者採用」でポータルサイトがヒットしたのは結果論であって、「検索を回避しようとしているわけではない」ことの合理的な理由にはなりません。

 産経新聞によると、テレビ朝日は、タグを挿入した理由を次のように説明しています。

 障害者採用が不定期だった頃、募集期間外に「誤って応募することがないよう」設置し、そのままにしていた。

 しかし、この説明は明らかに矛盾しています。なぜなら、「テレビ朝日 中途採用」で検索すると、同社の中途採用ページが検索結果の上位に直接表示され、しかも、そのページには、「中途採用2018 エントリー受付は終了しました。たくさんのご応募ありがとうございました。」と表示されているからです。つまり、中途採用ページにはnoindexタグが埋め込まれず、検索結果に直接表示され、しかも、「誤って応募することがないよう」な記述がなされています。

 現在、テレビ朝日は、障害者採用を通年で受け付けているようですが、かつて障害者採用が不定期だった頃があるのなら、どうして、中途採用ページと同様に検索結果にページが直接現れるようにして、「受け付けは終了しました」とか「現在受け付け中です」と表示しないのでしょうか。ましてや、現在は障害者採用を通年で受け付けているのならば、どうして障害者採用ページのみにnoindexタグを埋め込んだまま放置したのでしょうか。

 仮に不定期を理由にして障害者採用ページにのみnoindexタグを仕込んでいたとしても、現在は障害者採用を通年で受け付けているのであれば、同タグを同ページに仕込んだまま放置する行為は法律に違反する可能性があると言わざるを得ないのです。

参考:

障害者雇用促進法34条

事業主は、労働者の募集及び採用について、障害者に対して、障害者でない者と均等な機会を与えなければならない。

まとめ

 テレビ朝日には、報道部門も含まれるはずです。常に迅速かつ正確な報道を担うべきテレビ局がやることでしょうか。

 今回、産経新聞が他の報道機関に先駆けて「テレビ朝日・障害者雇用ページタグ埋め込み問題」について報道したことは、GJだと思います。しかし、他の報道機関からの指摘を受けて「誤解を招きかねなかった」と慌てて弁明しているようでは、テレビ朝日は報道機関として恥ずかしくないのでしょうか。

 テレビ朝日はどうしてこの問題に関する見解を自社の報道番組において速やかに放送しないのでしょうか。あるいは、テレビ朝日は、どうして自社の公式サイトにおいて、この問題に対する見解を速やかに示さないのでしょうか。

 それとも、本件に関する公式見解が示されているページにもnoindexタグが仕込まれていて、筆者が検索しても、検索結果に表示されないだけなのでしょうか?