はじめに
先日、山形大のパワハラ問題について取り上げました。
本件に関し、産経新聞から追加報道がありました。
そこで、改めて本件について考えます。
山形大学で今何が起きているのか?
山形というと、「さくらんぼ・米沢牛・温泉・蔵王の雄大な景色…」など良いイメージの言葉が並びます。しかし、山形大学の一連の問題は、山形のイメージが大きく損なわれる出来事ではないでしょうか。
産経新聞によると、山形大学では、
- 平成27年11月に助教から「村八分」にされたとするアカデミック・ハラスメント(アカハラ)で工学部4年の男子学生が公園で自殺(遺族はアカハラがあったとして男性助教と大学を相手取り提訴)
- 今年10月にもキャンパス内で学生2人が相次いで飛び降り自殺
- 最先端研究施設で、センター長を務める著名な大学教授によるパワーハラスメントで、退職者が相次ぐ
と様々な事態が発生しています。
山形大学のパワハラ問題について考える
パワハラ教授について
本日は勤労感謝の日に因んで、当該男性教授によるパワハラの態様を再掲し、パワハラについて改めて考えます。
問題のパワハラ教授は、「山形大学xEV飯豊研究センター」のセンター長。同センターは、リチウムイオン電池の研究を行っている施設です。産経新聞によると、同教授は、宇部興産で、リチウムイオン電池の原料として使われる「機能性有機電解質分野」の事業に関わり、後発のスタートながら「電解液といえば、宇部興産」といわれるほどにした人物として知られるといいます。なるほど、液体の電解質の分野で名を馳せてセンター長として迎え入れられたんですね。最先端の電池の研究施設のトップというのであれば、筆者は、てっきり固体の電解質の分野の研究者かと思っていました。
なお、リチウムイオン電池の父、米テキサス大学のジョン・グッドイナフ教授は、今年、画期的な全固体電池を開発し話題になっています。
その男教授、凶暴につき
20代の男性技術支援職員のケース
昨年9月ごろ、男性技術支援職員の机上に、次のような内容の書き置きが残されていました。
- 「マジックくらい買っとけ!! 《役立たず》」
- 「誰が選んだこのコピー ボケが!! 遅くて使えん」
- 「ここに貼るな!!」
同パワハラ教授の手書きによるものと思われます。直ちに筆跡鑑定を依頼すべきでしょう。
また、男性技術支援職員に対し、同教授による次のような暴言もあったとされています。
- 今年2月8日:同センターを訪れた顧客企業の関係者の前で、この大学教授は、男性技術支援職員を「偏差値40」「偏差値40」と連呼し、何度も罵倒した。
- 男性技術支援職員は、指の震えが止まらず、身体に引きつった様子が残るなど、典型的な心的外傷後ストレス障害(PTSD)症状を発症しているという。
- (参照元:『産経新聞』2017.11.22)
こともあろうに大学の教授が、偏差値を引き合いに出して部下を罵倒するとは言語道断です。部下の人格を否定する名誉棄損の言動であることはもちろん、場合によっては、大学の名誉を著しく棄損することにも繋がります。
50歳前後の男性職員のケース
- 同大のハラスメント窓口にした相談が大学上層部には伝わらず、逆に大学側から雇い止めを言い渡された。
- (参照元:『産経新聞』2017.11.22)
くだんの男性教授のパワハラもさることながら、筆者が最も問題視しているのはこの点です。大学のこの対応は、パワハラをさらに助長させることに繋がります。まさに、「もの言えば唇寒し」ですね。
女性職員のケース
- 女性職員にハサミを投げつけた
- (参照元:『産経新聞』2017.11.22)
暴行罪が成立する可能性が高いです。現実に人の身体に傷害を負わしめる傷害罪と異なり、暴行罪は、有形力の行使において身体的接触が伴わなくても成立します。この場合の有形力の行使とは、「ハサミを投げつける」という行為そのものを指します。
判例では、当てるつもりではなく単に脅すつもりで日本刀を振り回したケースでも次のように暴行罪の成立を認めています(最三小決昭39.1.28)。
原判決が、判示のような事情のもとに、狭い四畳半の室内で被害者を脅かすために日本刀の抜き身を数回振り廻すが如きは、とりもなおさず同人に対する暴行というべきである旨判断したことは正当である。
豊田真由子との類似性
産経新聞が指摘しているように、その狂乱性・粘着性において豊田真由子との類似点がいくつか見られます。以下、当該「パワハラ書き置き」と「豊田真由子の言動」とを対比させ、類似点を洗い出します。
パワハラ教授:「マジックくらい買っとけ!!」
⇔豊田真由子:「お前が行け!お前が今から行ってこい!」
パワハラ教授:「ボケが!!」
⇔豊田真由子:「痴呆症か!」
【第5弾】〈痴呆症か!〉国会議員続投宣言「豊田真由子」の未公開音声
パワハラ教授:「誰が選んだこのコピー」
⇔豊田真由子:「ちーがーうーだーろーーーーー」
パワハラ教授:「ここに貼るな!!」
⇔豊田真由子:「あたしが違うって言ったら違うんだよ!」
【第3弾】〈物事にはねえ!裏と表があんの!!〉 さらなる絶叫暴力「豊田真由子」代議士
まとめ
山形大学は国立大学である以上、多額の税金が投入されているはずです。当該研究センターにも地元自治体からも含め多額の税金が投入されていることでしょう。マネージメントにふさわしくない人物が指揮する研究は、はっきり言って税金の無駄です。
特に競争の激しい分野ほど、研究は日進月歩で目まぐるしく進化しており、ついこの間の成果でもどんどん陳腐化していきます。何年も前の研究成果で胡坐をかぎ、部下を自分の手足の如く酷使しているようでは、斬新な研究成果は決して生まれてこないでしょう。
最先端の研究の成否は、末端の研究者に働きやすい環境を整えられるかどうかにかかっているのです。