三菱電機が労働基準法違反の疑いで書類送検されました。
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概要は以下の通りです。
- 2013年にある男性(以下、Aさんという。)が研究職として三菱電機に入社した。
- 翌年から仕事量が増え始め、2014年1月16日~2月15日の残業はAさんの資料によると約160時間。
- しかし、上司の求めで59時間30分と過少申告。(因みにAさんに係る労使協定の延長時間は60時間。)
- 2014年4月にうつ病と診断される。
- 病気療養後、2016年6月にAさんが解雇される。
- 2016年11月に藤沢労働基準監督署がAさんの件で労災認定。
- 2017年1月11日、神奈川労働局が三菱電機と当時の労務担当上司を書類送検。
Aさんの退職に至るまでの過程は、前回紹介した、東京電力元社員の一井さんのケースに類似しています。
Aさんの業務は研究職だったそうですが、こんな状態では良いアイディアは浮かばなかったでしょうね。未来のある研究者をこのように扱うのは本当に勿体ないです。
因みに、研究者には専門業務型裁量労働制という制度があり、労働時間の算定でみなし労働時間制というものがとられる場合があります。しかし、大学の教授や研究プロジェクトのリーダーなどのように、仕事の遂行手段や時間配分に関して使用者から指示を受けない人が対象です。Aさんの場合、仕事の進め方において上司から罵倒されることがあったようです。時間管理については、上述の通り上司から残業時間の過少報告を求められていました。このような場合、みなし労働時間制は適用されません。
先日、三菱電機の社長が一連の問題で謝罪したそうですが、労務管理が本当に良い方向に変化するのか見ていきたいですね。