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トランプ大統領はブラック企業撲滅の救世主となるか

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 日本時間の1月21日午前2時、トランプ氏が第45代アメリカ合衆国大統領に正式に就任しました。就任演説は、とても平易な言葉で分かりやすい表現をしていました。とりわけ興味深かったのが、「富、強さ、自信は、もともと我々のものだったのが、国境の向こうに消え去っていきました。数百万ものアメリカの労働者が取り残されてしまったのです。中間層の富が、家から引きはがされ、世界各地に分配されてしまいました。」という内容。「」の中の「アメリカ」を「日本」に置き換えれば、そっくりそのまま日本にも当てはまります。

 トランプ大統領は次のように演説を続けます。「それは過去なのです。今私たちは未来に目を向けます。」

 ところで、グローバル資本主義とは国家間の障壁を取り除き、ヒト・モノ・カネの自由な往来を基調とした資本主義のことです。これにより、グローバル企業は外国の安い労働力を求めどんどん海外へと工場を移転していきました。その結果、国内雇用が奪われ中間層が没落していったのです。

 「それがブラック企業と何の関係があるの?」と言う方があると思いますが、筆者は関係あると思っています。工場が海外へ移転すれば、労働力の需給バランスが完全に崩壊し人余り現象が起きます。そうすればどうなるか?海外の安い人件費との競争の結果、国内人件費のダンピングが起きます。中には、労働法を無視してまで賃金のダンピングを行おうとする不届き物が出現します。そうです、ブラック企業です。

 たとえ経済がどんな状況にあったとしてもブラック企業は決して許されません。国内で事業活動をしている以上、国内の法律は守らなければならないのです。トランプ大統領によってグローバル資本主義が終焉を迎えるかもしれません。日本の指導者の中にもトランプ大統領と同じようなことを言ってくれる人が出現することを期待します。