Mesoscopic Systems

働くルールを理解してこれからの働き方について考えよう!

サビ残ブラック企業から面接に賃金を支払うバイトへの転職は正解

f:id:mesoscopic:20170829012111j:plain

はじめに

下記記事にあるように、あるツイートがツイッター上で話題になっています。

news.livedoor.com

200時間ものサビ残のもとで働かされていた女性が、そのブラック企業を辞め、バイトの面接を受けたときのツイートです。

バイトの面接で2時間の拘束時間があったため、その分の賃金が出たというのです。

女性は、前職のブラック企業とのあまりの違いから理解不能だったといいます。

良いバイトに巡り合えて良かったとは思いますが、そんな単純に話を片付けてはいけません。

この事実は、女性がブラック企業を辞めなかったらずっと長時間のサビ残が継続されていたという恐ろしい事態も同時に意味しているからです。

筆者は、ブラック企業を根絶させるためには、ブラック労働に甘んじることなく早々と辞めるべきことをかねがね主張しています。一人辞めるのではなく、同様なブラック労働に苦しむ他の同僚と一緒に辞めてしまわなければ意味がありません。

そのためには、下記記事にあるように、ブラック企業を安心して辞められるシステムの構築も必要です。 

www.mesoscopical.com

こうすることによって、当該ブラック企業は人材不足に陥り、自然淘汰されます。

ブラック企業の発生要因

ブラックバイトというのも存在しますが、ブラック企業というと、ほとんどの場合正社員を対象に長時間サービス残業等のブラック労働を強いる企業の代名詞となっています。

しかし、これだけブラック企業が盛んに問題視されているのに、一向に減らないのはなぜでしょうか?

それは、ブラック企業の発生要因が、皆の不安心理に付け込んだものだからです。

皆が次の職が見つかるまでの生活が不安だという心理を抱き、それを解消すべく当該ブラック労働を我慢してしまうと、さらに強化されたブラック労働が引き起こされます。これを合成の誤謬といいます。

したがって、ブラック労働を根絶するには、不安心理を断ち切ること、すなわち、ブラック労働と判断したらさっさと辞めてしまうことが肝要なのです。

ブラック企業問題は相対的な命題か?

よくこんなことを言う人がいます。

「どんな企業がブラック企業に該当するのかというのは相対的な命題であって、同じ労働条件や職場環境であってもブラックと思う人もいればそうでない人もいる」と。

確かにその一面もあります。

例えば、ある企業に、ポケットに手を突っ込んで歩く行為を反体制的だとして、そのような行為を見つけ次第上長に密告する制度が存在したとします。

従業員同士を互いに監視させるような制度は、全体主義的な風潮を助長するため極めて危険と筆者は考えます。

筆者だったら、当該企業を直ちに辞めてしまうでしょう。

ただし、その事実だけをもって直ちに当該企業を辞める判断が下せるかどうかは人それぞれです。

その意味においては、ブラック企業の問題は、相対的な命題と結論付けられるでしょう。

しかし、ブラック企業の問題を絶対的な命題として捉えることのできる指標がただ一つ存在します。

その指標とは、労働基準法です。

なぜそう断言できるかというと、労働基準法は職場における最低限の労働条件を保障することを宣明したものであり、いかなる事情があろうともそれを下回る条件で働かせることは決して許されないからです。

その根拠となる条文が労働基準法第1条です。

労働基準法第1条

労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。

2 この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。

したがって、労働基準法すら遵守できないような事業所は、労働するに値しない場所と考えてよく、どのような事情があろうとも、法違反を発見次第、当該事業所を直ちに立ち去ることを検討すべきなのです。

サービス残業の問題について

ブラック労働の典型的なものとしてサービス残業があります。

サービス残業とは、法定労働時間を超えて労働に服しているにもかかわらずその対価が支払われないこと、すなわち、賃金不払い残業を意味します。

賃金不払い残業は、労働基準法37条に違反する違法行為です。

使用者が労働者に適切な割増賃金を支払わないということは、事業が低生産性ゆえ経営状態がひっ迫していることを意味し、このような企業は早々に市場から退出させられるべきと筆者は考えます。

つまり、本来潰れるべき運命にある企業に不本意に残留して、当該企業の延命に協力することは、労働市場全体で見た場合、自分自身の市場価値を低くしていることと等価なのです。

長時間労働の問題について

賃金不払い残業とともに、ブラック労働の類型として数え上げられるのが、長時間労働です。長時間労働とは、36協定違反の長時間労働を意味し、労働基準法32条に違反する違法行為です。

36協定違反の長時間労働を繰り返す企業は、人を雇用して業務を分散化することなく既存従業員のみに業務を集約化しようと考えます。すなわち、雇用調整方法に難があるブラック企業です。

本来、業績が上向き基調で業務量が著しく増加しているのであれば、人を雇用するはずです。しかし、ブラック企業においては業績低迷のために人員を増やす余裕はなく、必要最小限の人員未満で低生産性業務がアサインされています。

かくして既存従業員に過大な業務負担がのしかかります。

36協定で取り決めた延長時間をも超えた時間外労働に服する法的根拠は何ら無いため、このような過重負担を強いられた時点で早々に立ち去ることを検討すべきです。

結果として、当該企業は雪だるま式に人手不足に陥り市場から自然に淘汰されていきます。

まとめ

賃金不払い残業にしても36協定違反の長時間労働にしても、もともとは当該企業の低い生産性に起因します。

ブラック企業は、本来は市場に存在すべきではないにもかかわらず、皆の不安心理に付け込み、低生産性労働へと労働者を誘導し、生き残りを図ろうとしているだけです。

ブラック企業を根絶するには、ただ一つの方法しかありません。

不安心理を断ち切り、当該企業からどんどん離脱することです。

これにより、当該ブラック企業は、生産性を向上させ労働条件を正常化させるか、人手不足倒産に陥るかの2択に迫られます。

そして、生産性向上に立ち遅れた企業は、市場から退出させられ、市場全体としては、健全化の方向に向かいます。

冒頭にあったような事例が少しずつ積み重なれば、サビ残などのブラック労働が淘汰され、面接の拘束時間にも賃金を支払うようなホワイト労働にどんどん人が集まっていくのです。