Mesoscopic Systems

働くルールを理解してこれからの働き方について考えよう!

上司から「ハゲ」と絶叫されると円形脱毛症を発症する可能性がある

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はじめに

 デイリー新潮は、自民党の豊田真由子代議士が政策秘書に対し、数々の暴言および殴る蹴るハンガーで叩くといった暴行を加えていたことを報じました。

www.dailyshincho.jp

 政策秘書は、危険を察知し、ICレコーダーで、豊田代議士による暴言・暴行の一部始終を録音していました。音声データからは、「この、ハゲーーっ!」・「ちーがーう(違う)だろーーっ!」などと、人格否定発言・強圧的発言を聞き取ることができます。


【週刊新潮】凶暴代議士「豊田真由子」による秘書への“絶叫暴言&暴行傷害”音声

パワハラの定義

 豊田代議士は、大学卒業後1997年に厚生省(現:厚生労働省)に入省しています。豊田代議士がかつて勤務していた厚生労働省は、パワーハラスメントを次のように定義しています。

 職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう。

 また、パワーハラスメントの行為類型として次の6つを挙げています。

暴行・傷害(身体的な攻撃)

脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言(精神的な攻撃)

③隔離・仲間外し・無視(人間関係からの切り離し)

④業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害(過大な要求)

⑤業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと(過小な要求)

⑥私的なことに過度に立ち入ること(個の侵害)

 豊田代議士は、政策秘書に対し殴る蹴るハンガーで叩くといった暴行を加え、政策秘書には「顔面打撲傷」「左上腕挫傷」等の診断書が出されていると新潮は報じています。また、新潮の取材に対し、豊田代議士の事務所は暴行について「手をあげてしまった」と認めているそうです。これは、パワハラ類型①に該当します。また、人に暴行をし怪我をさせ、被害者から診断書が出されているということは、傷害罪の構成要件に該当します。そのため、「秘書男性は、警察に被害届を出す」と新潮は報じています。

 また、録音データの一部始終を聞けば、パワハラ類型②に該当することも明らかです。特に、部下の身体的特徴を絶叫するのは、「ひどい暴言」にあたります。

トヨタ代議士は有権者の命を何と心得る

 新潮によると、トヨタ代議士は自動車を運転中の政策秘書に対して暴行を加えていたといいます。政策秘書に対し暴行を加えたことはもちろん非難されて然るべきですが、それ以上に、万が一政策秘書がハンドル操作を誤ったらということをトヨタ代議士は想起しなかったのでしょうか。どの辺りを走行していたのか知りませんが、ひょっとしたら自分に投票してくれた有権者の近くを車が通り過ぎていたかもしれません。運転中の政策秘書に暴行を加えることは、有権者の命を軽視する極めて危険な行為ではないでしょうか。

まとめ

 Wikipediaによると、豊田代議士は、「中央省庁再編により設置された厚生労働省にて、社会・援護局や健康局などで勤務」とあります。厚生労働省は健康に関する文書を公表しています。48ページからの記述は、ストレスとその関連疾患について知識を深めるために非常にためになります。

ストレスとは:

 ボールにたとえると、外からの圧力でゆがんだボールをストレス状態、かかっている圧力がストレッサーである。

ストレス関連疾患とは:

 ストレス状態の持続は、自律神経・内分泌系・免疫機能の低下をきたし、関連した臓器に変調をきたす。このように、ストレスが発病や病状の経過に関与することが大きいと考えられる疾患を総称してストレス関連疾患という。

 代表的なものには、表Ⅱ-3-1 に示す疾患があり、心身症の大部分は、これらのストレス関連疾患と言われている。

 表Ⅱ-3-1は、次の表です。

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 (出所:厚生労働省資料 Ⅱ生活指導及びメンタルヘルスケアp52)

 ストレス状態が持続すると円形脱毛症をはじめさまざまなストレス関連疾患にり患する可能性があるので気を付けましょう。