Mesoscopic Systems

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古賀茂明氏の名言中の名言:「連合は経団連労務部と改称すべき」

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はじめに

古賀茂明さんが、正論の記事を書いてくださいました。

“経団連労務部”

今年の流行語大賞に選ばれても良いくらい的を得た表現です。

参照元:dot.asahi.com

dot.asahi.com

この記事から、古賀さんの名言を引用し、筆者なりの意見を付け加えたいと思います。

古賀さんの名言1

日本企業は昔と同じ、コスト競争の能力しかないという状況が続いている。

非正規雇用や請負を多用して人件費を切り下げようとしても、やはり限界があります。

 非正規雇用をどれだけ増やしても、中国や東南アジア、メキシコの人件費にかなうわけがありません。

欧米に比して人件費の安さにおいて絶対的なアドバンテージがあった高度経済成長期と今とは時代が違うんです。

また安倍政権発足以来、度重なる金融緩和によってじゃぶじゃぶ円を流通させたため、1ドル80円近くを推移していたものが一時期120円近くにまで下落しました。

現在は110円近くを推移しているものの、現在日本は米財務省によって為替操作の「監視対象国リスト」に名を連ねています。

したがって、これ以上円安に誘導しようものなら、トランプさんに目を付けられ、為替操作国に認定されるのがオチでしょう。

ナントカ生産方式とかいいながら低付加価値の物ばかり作ってコスト競争に腐心しても、決して世界に伍することはできないのです。

とある企業は、濡れ手に泡の政策誘導に依存しているうちに、世界で本当に必要とされているものが何であるかを見誤り、開発競争に乗り遅れました。 

古賀さんの名言2

過労死ギリギリまでは認めましょうと国がお墨付きを与えるというのだ。

この点については、筆者もこれまで何度も指摘してきました。 

www.mesoscopical.com

 残業時間の上限規制を巡る話し合いで、連合は、経団連の要求をほぼ丸のみした形になっています。

なぜこんなことになってしまったのでしょう。

仮に、連合が残業時間の上限規制を巡る労使交渉において、大臣告示と同じ月45時間を主張したとします。

そうすれば、「どうやって繁忙期に雇用調整を行うのですか?では人を増員しやすくするために解雇規制緩和に協力してもらえませんか?」と迫られることは回避できないでしょう。

連合にとって、これは最悪のシナリオです。

そのため、経団連の要求をほぼ丸のみしつつ、「月100時間未満」という微調整を図ることで、かろうじて面子を保ったわけです。

インターバル規制を義務化することなく努力義務化という骨抜き規制にしたのも同じロジックです。

古賀さんの名言3

企業経営の変革、そして、その結果としての企業の淘汰こそが成長戦略のカギを握るという本質が、理解されていない。

 全くその通りだと思います。

競争力の低い企業を生き残らせても、ブラック労働が蔓延するだけです。

競争力の低い企業は淘汰される仕組みを徹底し、競争力の高い企業へと速やかに労働移動ができるような仕組みを構築すべきです。

因みに北欧では、政策誘導によって生産性の低い企業の市場からの秩序ある退出が促され、産業の新陳代謝を高めることで、高い生産性を誇っています。

古賀さんの名言4 

連合が基本的に、大企業正社員の既得権保護団体であること、また、労働コストカットでしか生き残れないという経営者の言い訳をそのまま受け入れる御用組合であり続けたことなどが大きな影響を与え続けたことは明確にしておかなければならない。

連合の正式名称は、「日本労働組合総連合会」。しかし、もはや、「組合」ではなく、「経団連労務部」と改称した方がよいのではないだろうか。

 古賀さんの名言中の名言に相当する箇所です。

連合傘下の組合は殆どの場合、大企業の企業別労働組合です。

大企業の企業別労働組合では基本的に非正規社員は加入することができません。

したがって、連合は基本的に非正規社員の意見を代弁することはありません。

非正規社員の賃金待遇がどれだけ悪化しようとどこ吹く風というスタンスを取り続けています。

また、古賀さんは、これまで連合が労使協調路線を採り続けてきたことを批判しています。

1990年に社畜という言葉が流行して以来久しいですが、連合と経団連による労使協調路線こそが、社畜が生まれる温床となっているのです。

労使協調路線とは、定年までの雇用を使用者が約束する代わりに、使用者による広範な人事権行使を労働者が受け入れつつ、互いに共存共栄を図っていこうとする労使関係のことです。

この路線に従う労働組合のことを御用組合といいます。

つまり、「定年まで雇ってもらいたかったらつべこべ言うな」という哲学こそが労使協調路線の真骨頂です。

そして、この哲学の下で働かされている労働者を社畜と言います。

この哲学こそが、長時間労働に至る諸悪の根源であり、あらゆるワークライフバランスを非均衡化させている源泉でもあるのです。

しかし、この共存共栄システムは過去の話となりつつあり、もはや現代の若者にとって何のメリットもありません。

なぜなら、それを維持すべき大前提が崩れ始めているからです。

現在の東芝の姿を見れば明らかです。

新規就職者の3年離職率の高まりを見れば、若者もこの事実にようやく気付き始めているということがわかるのです。

まとめ

 非正規の方は、賃金格差がどうして一向に改善されないのかについてよく考えてみてください。

一方、正規の方は、どうしてここまで長時間労働に甘んじなければならないのかどうして突然全く畑違いの業務への変更を余儀なくされるのか、あるいは、どうして突然何の所縁もない片田舎で勤務することを命ぜられなければならないのかについてよく考えてみてください。

正規の方も非正規の方もこれらの原因が同じところから派生していることに気が付くはずです。

 

その同じところとは、「経団連労務部」のことです。