はじめに
2017年2月14日、電通は、記者会見で次のような発表を行いました。
電通は十四日、新入社員の過労自殺問題を受け、労働環境改革に関する独立監督委員会を二十八日付で設置すると発表した。委員会は、検察庁出身の弁護士や厚生労働省元局長ら3人で構成。社外取締役には元労働事務次官の松原亘子氏が新たに就く。
はたしてこれは有効に機能するでしょうか。
検察庁に行政処分を丸投げせずに自分の頭で考えよう
先日、電通の書類送検を受けて各自治体が行った入札指名停止期間が、ベッキーの出演停止期間より短いという趣旨の記事を書きました。
先月末、内閣府や総務省などの一部省庁や最高裁は現時点で処分するかどうか検討中という報道がなされました。厚生労働省は電通が起訴された場合に処分を検討するとのことです。そもそも電通を書類送検したのは厚生労働省東京労働局過重労働撲滅特別対策班(通称かとく)です。滋賀県など一部の各自治体が全国に先んじて処分した一方で、厚生労働省は検察庁に行政処分の判断を丸投げするというスタンスなのでしょうか。
独立監督委員会に天下りを入れたら判断が歪まないか
先述の通り、電通が「独立監督委員会」を設置したという報道がありましたが、実際には全然独立していません。検察庁や厚生労働省のOBやOGを入れたら、現役官僚の当該事件に対する捜査や処分内容が甘くなったりしないでしょうか。OBやOGを入れるのであったら、過労で辞めた電通のOBやOGを入れるべきだと思います。
天下りでなく現役官僚をブラック企業に就業させたらどうか
ところで、ブラック企業に対し強烈な抑止力となる方策があります。それは、ブラック企業と疑わしき企業に、現役の労働基準監督官がその身分を隠して一定期間就業するということです。
労働基準監督官はマンパワー不足なのでそんな時間あるかという反論が直ちに返ってきそうです。しかし、そういう制度を新たに開始したと表明するだけでブラック労働抑止に向けて十分効果を発揮すると思います。